サンガツ@WWW についてみんなで考える 6/6

2019.1.16 Wed

サンガツ@WWW についてみんなで考える 6/6

1/23の開催まであと2週間となった、サンガツ5年ぶりの東京公演。この公演が実現した経緯、その背景にある考え、そして活動21年を数えるに至ったサンガツがこれからどこに向かっていくのか。

リーダー小泉篤宏、企画の中原楽(LUFTZUG)・小森あや(TASKO)の3人が、暮れも押し迫った12月、リハーサルの後に高円寺の喫茶店で考えました。

最後まで読んでもまったく公演内容はわからないと思いますが、この公演がどんな思想にもとづいて設計されることになるのかはおわかりいただけると思います。

6日連続更新のインタビュー、ぜひご一読ください。

interview & text : 安東嵩史(TISSUE Inc.)

小泉篤宏(K)
中原楽(N)
小森あや(C)

6/6

——ところで、いま困っていることってありますか?

K う〜ん、とにかくメンバーのスケジュールが合わないことですかね。新しいギターの人がなかなか見つからないことも。

C 深刻だ。

K 小島君も自分もギターはやめないですけど、パーマネントなメンバーとしてのギタリストは引き続き募集中です!

——小泉さんがメンバーに求めるものって、何ですか?言い換えると、メンバーの変遷がサンガツに与えうる影響についてどう考えているのか、と言い換えてもいいかと思うんですが。

K そうですね……。メンバーそれぞれの思いは少しずつ違うでしょうけど、僕はサンガツを、いわゆるバンドっぽいものからどんどんコレクティブなものにしていきたいと思っているんです。だから、他のバンドよりは影響は少ないんじゃないかな。そもそも、僕は固定メンバーでクローズドに転がしていくバンドストーリーみたいなものが、だんだん今の時代・今の生活にそぐわないものになっていくんじゃないかなと思っているんです。だから、今回のWWW公演でも、バンド的な側面とは別に、そうした集団創作的な要素を試してみたいなと思っています。

——それは楽しみです。

K ただ、今の時代の集団創作のあり方を真剣に考えると、どうしてもEXILEに似てくるんですよ。それが悔しい。

一同 (爆笑)。

K どんどん人数が増えていって、3代目 J Soul Brothersみたいなのがワラワラ出てきてね。

——スピンオフが無限に(笑)。イチガツとか。

C とはいえ、私はみなさんよりちょっと後、ほぼ現体制のサンガツになってから参加しているので、このままこの密度、このスピード感であと5年くらい走り続けたらどうなるのかなという興味はあるんです。だから、コレクティブ的なものというのをどう捉えるかということに関しては、少し前から聞いていてちょっと態度を決めかねているところがあったんですよね。

——なるほど。

C とはいえ、これまでご一緒してくる中で小泉さんの決断のクイックさや考えの切り替え方、言い方はちょっとおかしいけどミーハーなところとか(笑)、すごくいいなと思っていて。

K あ、ミーハーですよ(笑)。

C だからこそ時代性や「次のやり方」みたいなものに敏感なんだと思うし、現メンバーも小泉さんのそういうところに共鳴しながら飄々とついてきてるんだろうなと思うんですよね。そんな現サンガツがもっとギュッと濃縮されたところを見てみたいという気持ちもありつつ、「おそらく、小泉さんの中ではだいぶギュッとなったところまでが見えてるからこそコレクティブなものに視野が移りつつあるんだろうな」と、今日話をしながら思いました。

K それでいうと、確かに「今の感じでやれたらいいな」と思っていた時もあるんですよ。ただ、バンドっていうのは、そういう時こそ早めに次の手を打たないと、すぐダメになる。おそらく今のままやっていたら、3年後には無理が生じると思うんです。みんなそれぞれ生活があって、今後も今と同じように忙しいとか余裕があるはずだなんて誰にも言えないじゃないですか。僕が何もできなくなるかもしれないし。で、そう思いながらも何も手を打たないままでいると、ダメになるときは、方法論やアプローチ、関係性とかも含めて、いっぺんに陳腐化して全部ダメになる。だから、危険な予兆が少しでも出たら、すぐに潰さないといけないんです。

——続けるために、いかようにでも自らの姿を作り変えていく。表層としては変わっているように見えても、本質は全く変わらないということですね。

K あとは、それを属人的な部分とどう両立させていくかがキモだなとは思っています。

N 小泉さんとか小島さんのいないサンガツって、どうなるんだろうなあ。

K それでもちゃんと回るというふうになったら最高ですよね。

——作った人がいなくなっても自走可能なバンド。実は「音楽をやる」ということに最適化させていくなら、それもおもしろいですよね。ある種、プログラマブルなあり方というか。

K 最近の曲は、どんどんそうなってる感じはしますね。弦楽器ってどうしても個性が出がちではあるので、それをどう克服するかというか。

N バンドやってる人なんて、どっちかというと「自我の塊」という印象があるじゃないですか。「俺を見ろ!」というギターヒーロー的な。サンガツとやるまでは、私もミュージシャンとはそういうものだと思っていたし。でも、「その人でなければいけない」というところから解き放たれるのって、すごく斬新ですよね。

——重要なのは、それを「自ら選んでいる」ということですよね。80年代のハードロックバンドみたいに、レコード会社の都合でどんどんメンバーが抜けていって「オリジナルメンバーの誰もいない第4期が始まった!」というようなものじゃなくて。

K (笑)。あと、属人的な部分と流動的な部分って、なんだか両立できるような気がするんですよね。

——経済や産業の要請ではなくて、テオ・ヤンセンの「ストランドビースト」のように自然の摂理というか、音楽的な要請にのみもとづいて自走していくバンドがあるのなら、それはすごく見てみたいですねえ。

K 属人性というものが「その人がいないとダメだ」という、ある種の神秘化に向かうのではなく、その人がいなくても走るものにするほうがクリエイティブだなと思っちゃったんですよね。その意志さえ行き渡っていればいいというか。 神話で魅了するのではなくて、方法論を社会に実装したい。ご本人がどう思ってるかわかりませんけど、キヨ……タキト?誰だっけ。

C 清竜人ですか?

K それ!

N よくわかったね、今ので(笑)。

K 清竜人さんとか、すごくそれをやってる気がするんですよね。観客全員がメンバーになるあの感じとか、あとクチロロのヴォーカルが大人数になったりとか。すごい納得感があった。

C 小泉さんが突然ピコ太郎みたいな姿で出てきたら、びっくりするだろうなあ。

一同 (爆笑)。

——属人性というものをどう捉えるか、でもあるんですよね。「小泉さんがいる」ということと、例えば「小泉さんはいないけど、小泉さん的である」という概念をきちんと分けて考えられるのかどうか。メンバーそれぞれに、その感覚は違うでしょうから。

K そうですね。それは個々のモチベーションにも繋がってくるし……。

——と言いつつも、このライブが終わったら、まったく違うことを考え始めるかもしれないし。そういう意味では完成形のない、常にベータの状態で走り続けるバンドなのかもしれないですね。

K 今回のためだけにやってるわけでもないですけど、今回やりたいことはおぼろげながら見えてきて。なんというか、曲そのものの境界を、すべてぼやけさせたいんですよね。

——曲の境界というと?

K 普通、ライブなんかだと、まあ時間の問題からも編成の問題からも、あるいは盛り上がりのメリハリの問題からも、一つひとつの曲ってバシッと存在として決まっているじゃないですか。その輪郭を曖昧にしていきたいですね。例えば、ガムランとかってそうだなと思うんですよ。昼から夜までずっと同じように演奏しながら、どんどん人だけ入れ替わっていく。

——なんらかの大きな意志にもとづいて動いているものの中で、個々のプレイヤーは代替可能であるということですね。「この人じゃないとこの曲はやれない」というようなものではなく。

K 「属人的であるとは」ということと、つながってくる話ですね。

——その「大きな意志」みたいなものとして小泉さんがあるのなら、別に現場にいなくてもいいかもしれないですしね。

K 音源とか曲とかメンバーとか、カッチリ決まったものにだけ「音楽」があるという考え方から、まだメディアもリスナーも解き放たれていない部分がありますよね。それは音楽の産業がそうだったから、ということなんでしょうけど。

——つまり、今回のライブは「音楽とは」を問い直すようなものになる、ということでもあり。

K そうかもしれません。バンドマンって、「バンドは“場”だから」みたいなことをよく言いがちですけど、文字通りのそういう“場”であればいいと思いますね。ぜひ、楽しみにしていてほしいです。

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掲載情報

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2019.01.23 サンガツ@WWW

2018.11.23 Fri

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ウェブサイトをリニューアルしました

2018.11.23 Fri